第426回日本近代語研究会(2025年度秋季発表大会)
第426回日本近代語研究会(2025年度秋季発表大会)を、下記の通りに行いますので、ご参加頂きたく、
ご案内申し上げます。
日 時:2025年11月1日(土) 13:00~18:00
会 場:Web上(Zoomミーティング使用)
※対面式会場は設けません。
参加方法:今回も日本語学会、日本方言研究会との共催です。11月1日の大会Zoomミーティングに入るためには、
日本語学会2025年度秋季大会への参加申込が必要です。当日、日本語学会の大会専用サイトに掲載
されているZoomのURLからミーティングにアクセスするという手順になる見込みです。この点、ご理解、
ご了承くださいますようお願いいたします。詳細は下記のページをご確認ください。
日本語学会2025年度秋季大会のページ
https://www.jpling.gr.jp/taikai/2025b/
※日本語学会の非会員の方も参加可能です。 (参加申し込みは必要になります。)
※会員非会員にかかわらず、【学生は参加費無料】です。 (学生の方も参加申し込みは必要になります。)
発表資料:日本語学会大会専用サイト上でクラウド共有フォルダの情報を公開予定
===================プログラム===================
○12:50 Zoomミーティング開場
○13:00 開会
【発表】 発表30分、質疑応答20分(入れ替え5分)
(1)13:05~13:55
文末表現「ではある」の緩和機能について
國學院大學大学院 高 夏娜氏
(2)14:00~14:50
山田美妙『日本大辞書』の方言語彙
―『日本方言大辞典』における利用の様相をめぐって―
皇學館大学 兒島 靖倫氏
<以上、司会 相模女子大学 梅林 博人>
【休憩】14:50~15:05
(3)15:05~15:55
認知言語学の視点から見る日本語と中国語における方位詞の
時間射程の異同
國學院大學大学院 張 柳柳氏
(4)16:00~16:50
「寸前」の語史―時空間語彙史の一環として―
関西大学 山際 彰氏
【休憩】16:50~17:00
【講演】
(5)17:00~18:00
国語辞典のジェンダー
文教大学元教授 遠藤 織枝氏
<以上、司会 拓殖大学 陳 力衛>
○閉会の辞、及び諸連絡
※発表大会終了後に、懇親会を行ないます。大会と同じZoomミーティングを利用して開催します。
各自、お飲み物などご用意いただき、ご参加ください。
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〔発表概要一覧〕
(1)
本発表では、「断定」を表す形式「である」に係助詞「は」が結合した「ではある」を取り上げる。
一見「断定」を表すような表現だが、実際には断定性を緩和し、いわゆる「ヘッジ」として機能する
用法が確認される。そこで今回は、発語行為理論およびポライトネス理論を参照しつつ「ではあ
る」の用例を考察することで、その緩和機能を明らかにしたい。
(2)
山田美妙『日本大辞書』は、「『言海』のイミテーション」等と評価されるが、こうした評価に対して
は少なからず批判があり、日本語学史の観点から再評価も進んでいる。たとえば、『言海』よりも
方言語彙を数多く採録している点は、従前の「イミテーション」という評価を転換するものと考えら
れる。本発表は、方言辞書としての『日本大辞書』について、『日本方言大辞典』を例に、その利
用の様相を検討するものである。
(3)
人は時間のような抽象概念を認知する際に、より具体的で認知が容易な空間の概念を用いて概
念化し、そして言語化していると言われている。本稿は「前」「後」「上」「下」「左」「右」を中心に、時
間義の有無と、時間義を有する方位詞の時間射程における日本語と中国語の異同及びその要
因を考察する。
(4)
「寸前」は、現代では「出発寸前に忘れ物に気付く。」や「ゴール寸前で立ち止まる。」のように、
“(基準となる出来事や場所を明示して、それらよりも)時間的・空間的にすぐ前であること”を表す。
しかし、大正期頃までは、主に“(発話者の所在地を基準として、そこよりも)空間的にすぐ前であ
ること”を表していた点で現代と異なる。こうした「寸前」の意味・用法の推移を述べつつ、時空間語
彙とダイクシスの関係性について考察する。
問い合わせメールアドレス:kindaigoken[アトマーク]gmail.com